「Balthus」”20世紀最後の巨匠” 職人であろうとしつづけた孤高の画家


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via:tobikan.jp

 

あのピカソにして「20世紀最後の巨匠」といわしめた画家、バルテュスの大回顧展が東京・上野の「東京都美術館」で開催中。

 

国内では約20年振りとなる今回の個展では、世界中から集められた40点超の油彩の代表作に加え、素描や愛用品、篠山紀信氏による写真の展示、そして世界で初めてバルテュスが晩年に過ごしたスイス・ロシニエールのアトリエを再現。けして人を招き入れなかったというアトリエの様子から画家の創作の断片を垣間みることができる。

 

「私は自分自身をいつも猫と同一視してきた」

 

ポーランド貴族の血をひく家系でパリで生まれ育ったバルテュス。10歳ぐらいで読んだ岡倉天心の欧米人向け日本入門書『ザ・ブック・オブ・ティー(茶の本)』が「芸術と私の初めてのセンチメンタルな出合い」という彼が、日本語の「光」からとった「ミツ」と名付け可愛がっていた愛猫との物語を11歳にして製作。詩人リルケの勧めで出版されることに。このとき以来自身を「猫たちの王」と呼ぶようになる。

 

「このうえなく完璧な美の象徴」

 

バルテュスの作品でまず思い浮かぶのが、『夢見るテレーズ』に代表される少女を描いた作品。

もっとも好んで描いたモチーフである「少女」にバルテュスはなにを見ていたのであろうか?

挑発的ともとれるポーズをとる少女達。少女から大人の女、無垢から性の目覚めへの過渡期、その危うさや儚さ。バルテュスにとって少女達はまさに「天使」であり、これらの絵はまさに「宗教画」であるかのようである。

 

「称賛と誤解」

 

バルテュスは、イタリア・ルネッサンスの『ピエロ・デラ・フランチェスカ』の模写に始まり独学で絵を学ぶ。

「表現主義」や「構造主義」などには見向きもせず、生涯を通して具象絵画を追求し続けた。

彼は作品とともに、幾多の誤解によっても有名になっていく。

 

バルテュスの兄である「マルキド・サド」の研究や『ロベルトは今夜』などの著作で知られる作家の「ピエール・クロソウスキー」の存在。当時のシュル・レアリスム運動。批評家や美術家など多くの者たちがバルテュスを近代芸術の革命や病理や心理と結びつけようとした。

それとクロソウスキー・ド・ローラ伯爵の血をひくことによるポーランド性など。

 

しかしバルテュス本人は、ルネッサンスの職人達のようにただ純粋に自分の信じる美を追求していただけなのかも知れない。
 

バルテュス展

会期 : 2014年4月19日(土)〜6月22日(日)

会場 : 東京都美術館 企画展示室

http://balthus2014.jp

*1967年にバルテュスと結婚した節子夫人の全面的な協力を得て開催する、国内では没後初かつ最大規模の大回顧展。
世界の名だたる美術館のコレクションのみならず、公開されることの少ない個人蔵の作品も含め、
国内ではほとんど見ることのできないバルテュス作品が並ぶ。

 

【関連して】

 

バルテュス夫人であり、ご自身も画家、随筆家としてご活躍されている『節子・クロソフスカ・ド・ローラ伯爵夫人』が”初の公式コラボレーション作”となる、陶器、キャンドル、照明のコレクションを4月19日(土)〜5月19日(月)まで、「H.P.DECO」で開催中の『アスティエ・ド・ヴィラットと節子・クロソフスカ・ド・ローラ展』にて展示販売中。

 

©Ikuo YAMASHITA

©Ikuo YAMASHITA

HPF_左グラン・シャレ、右セツコ

初日の4月19日(土)にはローンチパーティが開催され、アスティエ・ド・ヴィラットのデザイナー、イヴァン・ペリコーリ、ブノワ・アスティエ・ド・ヴィラットと共に節子夫人も来場。気さくに来場者と歓談を楽しんでいらっしゃいました。
 
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■H.P.DECO(エイチ・ピー・デコ):東京都渋谷区神宮前5−2−11
■特設サイト : http://www.hpfrance.com/sp/astier/index.html