注目度を増すエシカルの動き – rooms 30 -


 

国立代々木競技場第一体育館で『rooms30』開催、2015年2月17〜19日の3日間。

 
2000年よりスタートしたファッションとデザインの大規模な合同展示会『rooms』。
独自に発信するクリエイターの世界観を「部屋=room」と捉え、その集合体としてこれまで日本のファッションとデザインの発展を側面からサポート、あらたな創造や出会いを促進するコミュニティースペースとして年2回開催してきた「rooms」が今回30回目の節目を迎えた。近年グローバルへの動きにも力をいれており今後15年のコンセプトを「グローバル ルームス」とし、新たなステージを目指す。

 

またもう一つの動きとして、日本の地域産業にフォーカスした「Made in. (メードイン ドット)」や最近注目が高まっている「エシカルエリア」など多角的なアプローチを行っている。
最近耳にする機会も増えた”エシカル”という言葉。でもなんかイマイチよく解らないという方も多いのではないだろうか?そこで今回、「エシカルエリア」ディレクターの坂口真生氏に”エシカル”についてや、その取り組みなどを聞いた。

 

 

 

■ ”エシカル”とは?

 

非常に広義な意味を含んでいるので解りづらい部分があるのかなと思いますが、より消費活動に寄った一つの概念で、例えば”ロハス”というものがどちらかというと自分に向けたものであるのに対して”エシカル”は社会との繋がりといった部分が重要視されていると言えます。エシカル消費は倫理的消費といった意味になりますが、つまり「消費者が変わらないと社会は変わらない」という考え方。なにかモノを買うときにその背景まで考える。素材、生産過程、環境への配慮など。そういう所を意識してモノ選びをすることによってよりよい社会作り、社会貢献に自らも参加出来るという事がポイントになっているんじゃないでしょうか。

 

 
■ ”エシカル”の動きは何処から?
 

イギリス発祥のカルチャーって音楽、アート、ライフスタイル等色々ありますけど、それはやはり産業革命を経て世界経済を牽引してきた成熟した文化、社会があるからだと思います。でもその物質経済の発展の裏では社会の歪みによってストレスを抱えた人達がいる。そういった人々が日々の鬱憤を晴らすために、例えばレイブカルチャーなどが生まれた。様々な社会に対する不満は環境破壊などの問題にも向けられ、世の中が物で溢れている今、そこから先の事を考えたエシカルなライフスタイルが必要だという動きに繋がって行ったんだと思います。

 
■ その物自体のクオリティー 
 

最初はテストとして「rooms 26」で小規模なエリア展示をしました。
その時はあえて”エシカル”というワードは表に出さないようにしたんです。
その理由は物自体として、その他の商品と比べて勝負できるレベルに達しているかと言う事を重要視したかったからです。”エシカル”を言い訳にしたくなかった。
年々規模は徐々に拡大していってますが、そのクオリティーと出展者の意識の高さといったものには常にこだわっています。
その甲斐もあってか反響、評判とも上々で、今後は”エシカル”を前面に打ち出しつつ、さらなるパワーアップをして行きたいと思っています。

 

 
■ 連鎖と拡散
 

当初から出展者間でのコラボレーションの提案などの結びつきや、外部からの新たなビジネスの提案なども見られています。マーケットとしても年々大きくなっているし、エシカルなマインドも徐々に浸透して行っているのではないでしょうか?
テスラモーターズ』に代表されるような価値の高いブランドの出現などもあり、地球環境を意識する事が今やステイタスの一部になっている面もあります。
日本においては、東日本大震災を経験してこれまでとは確実に意識の変わった人達も多い。人生の根源的な意味を見直すきっかけを与えられた。物作りなどに携わる人達などは特にそういった部分には敏感な人が多いんじゃないでしょうか?
”エシカル”は価値のあるものなんだという事に、より多くの人に気付いて貰えたら嬉しいですね。

 
■ 時代とコーヒーショップ
 

 

今回実は一つの仮説を立ててみたんです。それは「エシカルブランドにとっての新たなバイヤーはコーヒーショップのオーナーである。」と言う仮説。
どう言う事かというと、今「サードウェーブコーヒー」というシーンが静かな盛り上がりを見せていますが、そういったコーヒーショップのオーナーに共通して言える事はオシャレでセンスが良い、周りに面白い人々が集まって来るコミュニティーを持っている等と言った事が挙げられます。
僕達の世代で言うと、当時若くて新しい感覚と熱意を持った人達が『裏原』にショップを出し始め、それがやがて街全体を巻き込み『裏原カルチャー』という物に発展していった、その感じに近いモノを覚えます。そこにはオーナーの感覚に共感した人同士を結びつけたり、口コミで物が広まって行ったり、新たな創造が生まれたりするエネルギーがある。
そういったオーナー達に、見て貰い、買っていって貰いたい。コーヒーショップには雑貨なども扱うお店もあるでしょうし。

 
■ これからの社会と”エシカル”
 

エシカルなプロダクツはこれまでの大量生産、大量消費型の商品などと比べると、どうしてもコストも掛かると言うこともあり割高に感じるかも知れません。でも長い目で見て下さい。食品にしても添加物の少ない、体に良い物を摂る事を心がけて行けば、将来的に病気のリスクを減らす事が出来る。トータルで見れば逆に経済的だったりと言う事が有るかと思います。それはバッグであったり家具であったりでも言える事。その物自体だけでなく安心感やブランドの価値観にお金を払う。そういう事がこれからの豊な消費のあり方なのではないでしょうか。

イタリアなどでは、エコツーリズムがちょっとしたブームになっています。
いわゆるヒッピー的な思想を現代に受け継いだ人達が中心となって、新しい世界の実現の可能性を模索しビジネスモデルを作り出そうとしている。
僕が”エシカル”に興味を持つようになったのも、自分が社会に対して何か出来ることはないだろうかという想いが有ったからです。今後アジアに向けても日本の”エシカル”を発信していく計画ですが、少しずつでも社会にエシカルマインドが浸透し業界の活性化に繋げる事が出来ればと思っています。より良い未来の為に。

 

【オフィシャルサイト】 : http://www.roomsroom.com