米「Need Supply」日本上陸、その魅力とは?


 

1996年にアメリカ・ヴァージニア州のリッチモンドにオープンした「ニード サプライ」。
一地方都市にありながら、アメリカのインディペンデントなブランドを中心とした洗練されたセレクトで地元を中心に徐々に人気を博すようになる。その人気は、2008年に開設したオンラインストアによって全米に広がり、アメリカのビジネス紙が発表した急成長を遂げた企業ランキングに選出されるまでに。さらに、2012年には“日常の1歩先をキリトル”をテーマとした「HUMAN BEING JOURNAL」を発行。日本でも2014年に「HUMAN BEING JOURNAL JAPAN EDITION 1」が出版された。

 

本国「Need Supply」のサイトより。

本国「Need Supply」のサイトより。©Need Supply Co.

HUMAN BEING JOURNAL

HUMAN BEING JOURNAL ©Need Supply Co.

 

話はちょっと脱線するが、日本のおよそ26倍という広大な面積を有するアメリカで通販というシステムが誕生し発展していったのは、いわば必然と言えるであろう。
その始まりは19世紀後半、当時の主要産業だった農業を営む人々を対象としたメールオーダーだったと言われているが、時を待たず全米で百貨店等を幅広く展開しているシアーズ等によってカタログ通販が開始され、現在のカタログ販売の一般的な形式の基礎がこの時代に作り上げられた。
 

 

カタログには生活に必要なありとあらゆる物が取り上げられ、購買意欲をそそる”より豊かな暮らし”のイメージが散りばめられる。

 

Whole Earth Catalog(ホール・アース・カタログ)

Whole Earth Catalog(ホール・アース・カタログ)

Made in USA カタログ

Made in USA カタログ

 

アメリカ、カタログ、とくれば忘れてはならない伝説のカタログがある。1968年に創刊された「Whole Earth Catalog(ホール・アース・カタログ)」だ。その頃アメリカで広がっていたヒッピーカルチャーに多大な影響を与えたこの本は、カタログといってもいわゆる一般的なイメージのカタログとは違い、当時の社会に疑問を抱えた若者達に、あらゆる商品と共に”生き方”を伝えていた。かのスティーブ・ジョブスも影響を受けた一人。有名な米スタンフォード大学の卒業生に向けたスピーチでの一節「Stay hungry. Stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ。)」は、「Whole Earth Catalog」の最終号の背表紙に書かれた言葉である。
後に日本でも「Whole Earth Catalog」に影響を受けた者達によって「Made in USA カタログ」というムックが出版され、アメリカの大学生のファッションやライフスタイル、当時の日本ではなかなかお目に掛かれないメイドインUSAのプロダクトが紹介されている。

 

リッチモンドのNeed Supply店内©Need Supply Co.

リッチモンドのNeed Supply店内©Need Supply Co.


Need Supplyの創設者の一人でクリエイティブディレクターのGabriel Ricioppo氏

Need Supplyの創設者の一人でクリエイティブディレクターのGabriel Ricioppo氏

 

”need supply”、直訳すれば”必要な物を供給する”であるが、言わずもがな”必要”な物は人それぞれ、それは住む場所や職業、ライフスタイルによっても様々であろう。
「Need Supply」が供給するのは「HUMAN BEING JOURNAL」のテーマでもある”一歩先”の生活。ファッションにおいても決して華美にならず、それでいてモダンな、ちょっと生活に潤いをもたらす上質で着心地の良い物。それは知性を感じる大人のスタイルといっても良いだろう。
 
今後の展開として、ハウスブランドのローンチや、N.Y.やL.A.への進出も考慮しているという「Need Supply」がインターナショナルへの第一歩として選んだ日本。パートナーとして「Alpha Co. Ltd.」の南貴之を迎えまずは東京・渋谷、次いで熊本にオープンする。
南貴之といえば、近頃やたら目に付くライフスタイル提案型ショップの火付け役としても知られているが、当初はエッジーな国内ブランドを中心としたセレクトでキャリアを築いた人物。年齢を重ね、最近ではベーシックなスタイル提案や、日本の伝統工芸などへも傾倒しているようだが、基本的にはファッションフォワードな感覚の持ち主だと思っている。それに対し、本国ニード・サプライはあくまでライフスタイル・ファーストな印象だ。同じゴールを目指しても、その道筋には違いがある。
私個人の感想を言わせてもらえば、「アメリカのリテイラーが日本に出店すると聞いてちょっとワクワクしてお店にいったが、想像していたのと違った。」といった印象だったが、本国のをそのまま持って来るのではなく、東京なら東京にマッチした形にするというのも納得できる。
只の東京っぽいショップって事だと、他のショップとの差別化が難しく、競争も厳しいのではないかと思うが、今後、オリジナルブランド「NSCO」に加え、日本ではなじみの薄いブランドなどの取り扱いにも力を入れていくという事なので期待したい。
また、本国でも評判のオンライン・ストアの日本版も開設するという事なので、そちらも非常に楽しみである。

 

■ Need Supply Co.
TOKYO
住所:東京都渋谷区松濤1-26-21
営業時間 : 12:00〜20:00
KUMAMOTO
住所:熊本県熊本市中央区上通町1-1
オープン日:11月28日 (土)
営業時間 : 12:00〜20:00
日本HP : http://www.needsupply.jp/
本国HP : https://needsupply.com