建築家の安藤忠雄、フランス芸術文化勲章の最高位「コマンドゥール」受賞


Tadao_Ando

 

建築家の安藤忠雄さん(72)に19日、フランス芸術文化勲章の最高位「コマンドゥール」が贈られた。

日本人としては、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さん、映画監督の北野武さんらに次ぐ。
今回の授章理由は、フランスを含む世界各地に設計した建築を通して、芸術文化に貢献したことをたたえたもの。同日、東京・南麻布の仏大使公邸で行われた式典で、クリスチャン・マセ大使は地中美術館(香川県・直島)など自らが訪れた安藤さんの建築を挙げ、「自然や環境と対話し、美しく調和している」とコメント。

 

naoshima

 

 

安藤忠雄は専門的な建築教育は受けておらず、ほぼ独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。代表作に「光の教会」「大阪府立近つ飛鳥博物館」「淡路夢舞台」「FABRICA(ベネトンアートスクール)」「フォートワース現代美術館」「東急東横線渋谷駅」「プンタ・デラ・ドガーナ」など。
住吉長屋

 

1979年に日本建築学会賞を受賞した「住吉の長屋」で一躍建築家として注目をあびるようになり、その後も93年 日本芸術院賞、95年 プリツカー賞、 03年 文化功労者、05年 国際建築家連合(UIA) ゴールドメダル、10年 ジョン・F・ケネディーセンター芸術金賞、後藤新平賞、文化勲章、12年 リチャード・ノイトラ賞など、数々の賞を受賞。

 

彼の建築に感じる禅的なもの、自然との調和などを含めた仏教思想のようなものは、彼が24歳からの数年間世界各国を放浪していた時のインドのベナレスでの体験が深く関与しているようだ。

そこで彼は、生と死が渾然一体となり人間の生がむき出しにされた混沌世界に強烈な印象を受け、逃げ出したい気持ちを必死にこらえながらガンジス川の岸辺に座り込み、「生きることはどういうことか」を自問し続けたという。

安藤忠雄の得た答えは、「人生というものは所詮どちらに転んでも大した違いはない。ならば闘って、自分の目指すこと、信じることを貫き通せばいいのだ。闘いであるからには、いつか必ず敗れるときが来る。その時は、自然に淘汰されるに任せよう」というものだった。

 

そして、困難な状況にも決して諦めず妥協することをしない姿勢が、世界中の人々を魅了する建築を生み出し続けている。

 

church