DOOD な男たち #2 ジム・ジャームッシュ


Jim Jarmusch

 

「DOODな男たち」第2回は、4年ぶり12作目にあたる「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」が12月20日より公開となった、ジム・ジャームッシュ監督を取り上げたいと思います。

 

ちなみに、このコラムは私の個人的な考察・感想などが多分に含まれますので、文体もパブリックなものではなくややカジュアルにしたほうがよいのかなということで、今回は「マツコ・有吉の怒り新党」のナレーション風な感じで進めさせて頂きたいと思うのであります。

 

まず皆様にお伝えしたいのは、私が「好きな映画監督だれ?」ときかれたならば、彼の名は外せないくらいに好きだということであります。

一応あまり詳しくない方のために、簡単に略歴をお伝えします。

ニューヨーク大学大学院映画学科の卒業制作で作った、1980年の処女作「パーマネント・バケーション」で注目をあびるのであります。なんとこの映画は卒業制作作品にもかかわらず、劇場公開されたのであります(多分、日本ではされてない)。

そしてなんといっても2作目の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で一躍広く知られることとなるのであります。この映画でカンヌ国際映画祭カメラドールを受賞するのであります。

まさに、ニューヨークインディペンデントシーンの寵児としてもてはやされることとなるのであります。

 

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この「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(当時、略して “ザンパラ”などといわれてました)。とにかく斬新で、ラフなモノクロームのスタイリッシュな映像、場面転換でのブラックアウト、削ぎ落とした演出と、当時のメディアも絶賛していておしゃれ雑誌も「これを見なければシティーボーイにあらず!」てな勢いで煽っていたのであります。

 

そして彼の風貌。ヨーロッパ系アメリカ人の家系に生まれた彼の拠り所のない移民のような知的でどこか哀愁を感じるさまが、まさにニューヨークのアーティストって感じで痺れるのであります。

服装もいつも全身ほぼ黒づくめで(シャツだけは色や柄ものも着る)、完全にイメージ通りなのであります。黒といえば実存主義とくる訳ですが、彼も当時よく実存主義的と評されていたのだよ。(あっ、しまった! 黒バス、緑間の口調になってしまったのだよ。)えー、であります。

 

続く作品「ダウン・バイ・ロー」でその人気を揺るがないものとするのですが、ここで彼の作品の特徴のひとつ、キャスティングについて。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」につづき出演のジョン・ルーリー(当時ラウンジリザースというジャズバンドのメンバー)や今回のトム・ウェイツ、後に出演のジョー・ストラマーやイギー・ポップなど交遊のあるミュージシャンの起用が目立つのですが、人選というか交遊関係がシブい、しぶすぎるよ、なのであります。

 

本人も以前より音楽活動をしていたようですが、2012年にはオランダ人リュート奏者で現代音楽家のジョゼフ・ヴァン・ヴィセムとユニットを組んでデビューもしているのであります。

 

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チョーど渋であります。ここまでくると、もうずるいとしか言いようがないのであります。嫉妬すら感じちゃったりするのであります。

 

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Jozef Van Wissem & Jim Jarmusch 2ndアルバム

The Mystery of Heaven (ザ・ミステリー・オブ・ヘブン)

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と、ここまで大絶賛してきた訳ですが「ゴースト・ドック」あたりから彼の映画作品にあまり興味がもてなくなったのも事実であります。

しかしこの度公開の「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」、トレーラーを見ただけですが期待できそうな仕上がりになってます。映像がやや豪華すぎるような気がしないこともないですが、中身は初心にもどったかのような感があるのであります。

 

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最後にインタビューで語った彼の言葉を紹介したいと思います。

「この映画の中にはアウトサイダーたち、メインストリームではないロックミュージシャンという概念、そして科学や文学といったすべての才能に対する称賛が込められている。なぜなら彼らは鬱屈を抱え、人間がする多くのことを嘆いているから」

 

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

2013年12月20日(金)からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪ステーションシティシネマほか全国公開
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:
トム・ヒドルストン
ティルダ・スウィントン
ミア・ワシコウスカ
ジョン・ハート
配給:ロングライド