「KIDS LOVE GAITE」山本真太郎 – 英アート・サブカルチャーからの継承



 
 
【 受け継がれる影響の連鎖 】
 
 

— ディケンズの小説でも有名な歴史ある建物の「The Old Curiosity Shop」では主にどんな仕事をしていたんですか?

 
靴作りに関しては何の知識も経験もなかったんで、いわゆる丁稚ですよね。
木村大太さんとイアン・リードのアシスタントをしながら、ちょっとづつ仕事を覚えて行って。覚える事は沢山あったんですが楽しかったですね。元々ファッション全体の中で靴も好きでしたし、美大ではスカルプチャー(彫刻)を専攻してたんですけど、そういった立体物の造形とかが好きっていうのもあって。作っている靴もデザイン性の高い物ですし、それとジョン・ムーアの靴は前から好きだったんで、その系譜を受け継ぐ方の元で働けたのはすごく勉強になったと思います。
 

— ジョン・ムーアの靴は凝ったデザインにも関わらず今見ても古さを感じませんね。

 
「The Old Curiosity Shop」ではジョン・ムーアの木型を受け継いだラインも作っていますが、彼の靴の特徴としては伝統を踏まえた上でそれを極端ともいえるバランスでモディファイしているってのが挙げられると思います。それが古くならないポイントなんじゃないでしょうか。素材使いも非常に凝ってますが、考え抜いた理論に基づいて成されてる。今はもう靴作りは辞めてしまいましたが、直系の弟子とも言えるイアンの作る靴にはしっかりとジョン・ムーアの哲学が受け継がれてますよね。

 

— お店で働く中でいろんな刺激を受けたと思うんですが、その辺りからの影響も多いですか?

 
そうですね。靴作りに関してはもちろん沢山影響受けてますし、あとお店に集まる人達には本当に個性的な独自の感性を持った方などが多くて、そういった人達からも生き方だったりとか、それこそ遊び方みたいなとこ迄、幅広く刺激は受けましたね。

でも一番影響受けた人っていうと物作りとはあんまり関係ない部分ですけど、フリッツって家具デザイナーがいて、お店の内装もその人がやっていたんですが、その人ですかね。フリッツは14~15歳ぐらいの時からずっと一人で生きて来た人で、ホームレスって言うと言い方違うけど決まった家を持たないで生活していて。その時はお店の2階で暮らしてたんですが、別にお金がないからそうしているってんじゃなくて自分の信念みたいなもので物を持たない生き方ってのをしてるんですね。その人生観とか、強い信念とか、物事に対する揺るぎないスタンスみたいな部分には凄く影響されましたね。
 

— 今シーズンのイメージビジュアルは皆さんがスキンズに扮するというインパクトの強いモノになってますね。

 
毎シーズンイメージビジュアルってのは作ってるんですが、ぶっちゃけ後付けっていうかあんまり意味の無いものだったりするんですよね。個人的にスキンズに思い入れがあるとかも特に無く、あくまで靴に対する表現の一つって感じですかね。年2回コレクションを発表してますが、靴なんでそんなにガラッと変わる物でもないですしね。今シーズンはずっと課題でもあったんですが、初めてホグトゥを作ってます。ソールは変えてますがアッパーのデザインとかは全く一緒ですね。
 

 
 

— 「KIDS LOVE GAITE」といえばラバーソールの物が多いですが、何か思い入れがあるんですか?。

 
単純に好みですかね。その時代のファッションとの兼ね合いもあるんですけど、自分で履いてみて足元にボリュームがあったほうがなんかしっくり来るっていうか。なので服の感じが変わっていけば、逆に薄いソールにしたりってのは全然あると思います。
今は伝統的な形をベースに靴をつくっていますが、自分でもそういうのが好きってのもありますし。ただそのままじゃつまらないんで、ちょっとバランスを崩したいっていうか。スクラップ&ビルドっていうかミクスチャー感覚みたいのは有りますね。もうちょっとブランドの基盤が固まってきたら、ジョン・ムーアのような極端な攻めたデザインの物にもチャレンジしたいなとは思っています。
 

— 因みにこの先、靴以外で何かやってみたい事とかありますか?

 
フリッツの影響って訳でもないんですが、家具とかは作ってみたいなって思いますね。やっぱり立体物っていうか重みを感じる物、プロダクト的な物が好きなんで。
 
 
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