VLADIMIR KARALEEV インタビュー@Wut berlin – 相反するモノとオリジナリティー


VLADIMIR KARALEEV

 

東京・表参道のセレクトショップ『Wut berlin (ウット ベルリン)』にて、ベルリンのブランド『VLADIMIR KARALEEV (ブラディミア・カラリーヴ)』のこれまでのアーカイブスを集めたフリーマーケット「Sunday flea market」が開催され、ベルリンからデザイナー本人も来場すると言う事で、インタビューをさせてもらった。

 

【VLADIMIR KARALEEV】
ブルガリアのソフィアで生まれ育つ。ファッションを学ぶためベルリンへ。在学中の2006年自身のブランドをスタート。
コンテンポラリーアートや幾何学的な構造物から強い影響を受け、新しい形や実験的なカットなどを用い、伝統的な洋服の形に対抗するようにコンセプチュアルなデザインを創造、新しいシルエットを洋服に与えている。
今ドイツで最も期待されているデザイナーの一人。

 

- 今回日本を訪れた目的は?
 
日本に来るのは今回が二度目ですが、前回、5年前に初めて訪れたときに日本が大変好きになりました。実はつい先日私の誕生日だったんですが、それに合わせて大好きな日本をじっくりと見てみたいと思いちょっと長めに日程をとって来ました。ほぼプライヴェートですが、よい機会なので手元にあったこれまでのアーカイヴを皆さんに手に取ってもらえればと思い、このフリーマーケットを出店することにしました。
 
- これまでの作品もこちらに並んでることなんで、簡単に解説していただけますか?
 
はい。まずこちらが1stコレクションになります。(注: 黒いTシャツをつなぎ合わせたモノたちが5〜6ピースかかっている。)このコレクションは最も身近であるTシャツを使って、それらを一度解体し再構築して新たな価値を生み出そうとしたものです。最初に20型作ろうと決めました。一つ目は1枚のTシャツを使い、二つ目は2枚というようにして使用するTシャツの数を増やして行きトータルで210枚使っています。
 
- このアイデアはどういった経緯でおもいついたんですか?
 
私は既存のデザインとは違うものが作りたいと思いました。それは私の製作行程にも表れています。一般的にはまずデザイン画を描いて、パターンを引いて製作しますが、私はそれをしません。マネキンに生地を添わせ手探りでフォルムやドレープなどを調節し、カットしたり重ね合わせたりして作って行きます。そしてTシャツは最もベーシックな物です。私はそれらを”トランスフォーム”させようと思いました。
 
- では次のコレクションはどちらでしょうか?
 
えーと・・・ちょっと思いだせません。(笑)
 
- なるほど。(笑)
例えば多くのデザイナーはシーズンごとにテーマを決めて製作に取り組んでるかと思います。あなたはそうしていませんね?

 
そうですね。今シーズンは”ロック”、今シーズンは”ディスコ”といった様には決めていません。私の中では全て継続的なクリエーションと捉えています。
 
- あなたのコレクションは基本的に一枚の布から発展したもののような印象を受けますが、こちらのラックはこれまでの流れとはちょっと異なりますね?
 
はい、この時は(スタッフから「2003年のA/W」と指摘)クラッシックなものへの興味が出てきました。私の経験した80年代の記憶とかをもとにジャケットなどのトラディショナルなディテールを取入れています。一見それと分からないようなデザインにも、よく見るとジャッケットのラペルが含まれているといったものも随所に入れています。
 
- クラッシックなものへの興味は今も継続中ですか?
 
継続中です。なので今はまだ決めてはいませんが今後さらにそれらを発展させた形になることも十分考えられます。
 
- 日本が大好きということですが、日本のデザイナーで注目している方やブランドはありますか?
 
日本人のデザイナーといえば、やはり何をおいてもレイ・カワクボとヨージ・ヤマモトは素晴らしいと思います。彼らはヨーロッパのモードシーンに衝撃を与えました。それはまさに革命です。わたしの中で彼らに比肩しうるデザイナーは今のところ思い浮かびません。
比較的新しい世代のブランドでは、『UNDERCOVER』『LIMI feu』『sacai』などが好きです。今の日本のファッションシーンはとても面白いと思います。ちなみに『COMME des GARÇONS』は今も度々購入し着用しています。
 
- では、ここ東京の若い人達のファッションについてはどう感じますか?
 
とても面白いと思います。みなさん自分の好きな物を自由に組み合わせ自己表現しています。度々ハットする着こなしをしている人をみてインスパイアされる事も多いです。私の住んでいるドイツはとても保守的です。ジャッケットにパンツといった基本のスタイルからあまり外れることはありません。例えば私のブランドの糸のほつれた切りっぱなしのエッジをみて、「一体何処で着るの?」といった反応も珍しくありません。
 
- あなたの生まれ育ったブルガリアはどういった所ですか?あなたのクリエーションに影響を与えている部分はありますか?
 
わたしが育った当時はまだ民主化も進んでなくて洋服屋も街にたった3軒しかなく、皆同じ格好をしていました。もちろん西欧圏のファッション誌などもなかなか手に入りません。なのでクリエーションにおいての影響と言ったものはないと思います。あるとすればモノや情報が入らないこと、いろいろなファッションを楽しむ事が困難な状況、そのストレスに対する反発といったものでしょうか?
 
- では、そろそろ最後の質問とさせていただきます。私はあなたのコレクションをみて未来的なイメージをもちました。それはSF映画等で観る未来人の服装に似たようなものを感じるといったところから来ているのかもしれませんが、あなたの想像する、30年後、50年後の未来の人々はどういうファッションをしていると思いますか?
 
難しい質問です。(笑)
まず考えられるのが3Dプリンターなどといったテクノロジーの進歩による影響はあるでしょう。マスプロダクト化が進み皆似たような格好になるかも知れません。またリサイクルなど環境への配慮もすすむでしょう。
ただそんな中でも手作業によるモノの価値は失われることはないと思います。その時まだ服作りを続けていたとしたら、私はそういうものを作っているでしょう。
 
- ありがとうございました。日本観光を楽しんでください。
 
ありがとう。
 

アーカイブコレクションを手に取り説明するブラディミア

アーカイブコレクションを手に取り説明するブラディミア

 

【Wut berlin】
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5-1-15
Tel : 03-3797-1505
http://www.wutberlin.com/
 
【VLADIMIR KARALEEV】
http://www.vladimirkaraleev.com/