WHIZ LIMITED 2016-17A/W – Mercedes-Benz FashionWeek Tokyo – Special Report



■ 前シーズンの異例とも言えるこれまでのアーカイブを見せたショー
 
ブランドの15周年のくぎりだったので何かやりたいなと思っていました。10周年の時は本を作ったんですけど、15周年はやっぱりショーだなって思いこれまでやって来た事を見てもらうため今まで作った服でスタイリングしました。
ブランドの姿勢としていつまでも古くならないっていうか、昔の物を今見てもいいねって思ってもらえるような服作りをしたいってのが基本にあるんですね。ウチはセールをしないっていうのもその一つだし、トレンドからちょっと引いたところのポジションにいるって事もそういう事です。なので、これまでの15年間にWHIZと関わってくれた人達や商品を買ってくれた人達に向けても、今までの物をまとめて見せる事で改めてその価値を感じてもらえたらいいなと思って。昔買った物をこのショーを見て、また引っ張り出して着てみようかなって思ってもらえたら嬉しいですし。

■ 「STORY TO GENERATIONS」と題された今回のショーについて
 
今シーズンのコレクションはストリート色がやや強めになっています、グラフィティーを使ったものとか。最初に地球儀をモチーフに何か作りたいと考えていて、その辺は地図を表したテキスタイルなどに出ていますね。
 
今回のショーにはミュージシャンやダンサー、俳優、スケーターなどいろんな人達に出てもらいました。前から僕の知ってる人や今回初めて会った人などいろんな繋がりからの人達で、みんな自分の個性を持ったカッコいい人達なのでその人らしさを出すため私物も含めたスタイリングになってます。ストリートの魅力の一端を表現出来たんじゃないでしょうか。
皆それぞれ違ったジャンルで活動してる人達なんだけど、会ってみたら意外と皆繋がってたっていうのが面白いと思いました。それには世代感みたいなものもあるんでしょうね。考えたら自分も20代の頃はそんな感じだったなって思ったり。
因に今回ウチの子供達にも歩いて貰ったんですが、正直それが一番心配でした(笑)


■ 初めてのパリでの合同展の感想
 
日本で15年とかブランドやってきた訳ですが、向こう行ったらほとんど知られていない現状です。そういう状況にブランド始めたばかりの頃をちょっと思い出したりしました。結果としては新しく取引が決まったとこも有りましたが、全体的に見てビジネスとして良かったとは決して言いがたいですね。もっと賛否両論意見がでるような感じで見てもらえたらって想いはありましたが、真剣に服を見てくれている印象の方はあまり目に付きませんでした。アジアからのバイヤーさんはブランドを認知してくれているんでまた感じは違いますが。

 
今回ファッション・アワードの受賞ブランドの合同展だった訳ですが、例えばその中でグランプリみたいなのを決めてそのブランドにパリでのショーの機会を与えるとかするとまた違うんじゃないかなと思いますね。ラックに掛かった服やルックだけ見てもなかなか伝わりずらいと思いますが、ショーをやればより多くの事を伝えられますし、興味を持って展示会にも来てもらえるんじゃないかと思うんですよね。
 


■ WHIZらしさとは
 
一言でいうと「フツウそうでいてフツウじゃない」って事かなと思います。僕個人は音楽やカルチャーへの関心は高いんですが、あまりそれを服に載せないようにしています。それには特定の色を付けたくないって考えもあるし、またカルチャーに対する特別な想いがあるんで中途半端な表現はしたくないってのもあります。コレクションは毎シーズン違った見せ方をするようにしていますが、根っこの部分は変わっていません。僕は洋服が好きでこの仕事を始めた訳ですが、実は”ファッション”という物に対して良い印象を持っていません。なので基本的にファッションへのアンチテーゼって意識はずっと有りますね。
 
僕ももういい年になりましたが、いつまでも大人には解らない部分を表現したいという気持ちがあります。分かって貰わなくていいっていうか、そういうちょっと青臭い感じは残したい。といっても作るときはいろいろ考えてってよりほぼ感覚だけで作ってる部分はあって、ここはこうじゃなきゃいけないみたいなコダワリとかもあまり無いんですけどね。
有り難い事に各都市にずっとWHIZを支えてくれているお客さん達やショップの方がいて、たぶん彼等のほうが僕よりWHIZの事詳しいんじゃないんですかね(笑)。僕作ったらすぐ忘れちゃうタイプなんで。


■ 東京ストリートの未来
 
僕がこの世界に入ったのは”裏原”が注目され始めた時期と重なるんですけど、それまでは服を作ってそれを仕事にするのって縁の無い世界の話しだったんですね。それが裏原のムーブメントによってグッと身近になった。僕の先輩が小さなお店を出して自分で作った服を売っていたりしていたのを見て、自分でも出来るんじゃないかなと思って手刷りのTシャツから服作りを始めたんですが、そういった服作りに対する意識の変化が今また起こっている気はします。
僕がブランドを始めた頃はまだネットもない時代だった訳ですが、今はネットの普及を初め個人で発信する事が簡単に出来るようになりましたよね。やる気にさえなれば誰でも服を作ってSNSとかで宣伝してそれを売る事が出来ちゃう。ただ、個人一人一人じゃ大きな事は出来ないって部分もあるかと思うんですが、そういう人達があるきっかけで繋がったりする事で何か新しいシーンが生まれてくる可能性を感じますね。
 
【WHIZ LIMITED 2016-17A/W @HIKARIE】
Designer / Hiroaki Shitano
Show Direction / Takashiro Saito (KuRoKo inc.)
Stylist / Masataka Hattori
Hair & Make-up / AMANO
Music / 副島 ショーゴ
 
■ HP : http://www.whiz.jp